POINT
訪日外国人の増加をいかに日本経済に
取り込めるかが今後のポイントに。
2017年に日本を訪れた外国人は約2900万人。2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、一層の増加を見込む。訪日外国人が日本で困ったこととして決まって上位に挙げるのが「クレジットカードが使えないシーンが多い」というものだ。国内の民間最終消費支出はここ10年間、約300兆円とほぼ横ばいで推移しており、国内消費は頭打ち傾向が強く、日本経済の成長には訪日外国人の消費の取り込みが不可欠だ。クレジットカード会社にはインバウンド需要の取り込みに向け、カードが使える店舗を急ピッチで増やすなど外国人の消費を促す「先導役」としての役割が期待される。

インバウンド消費は都市部以上に厳しい環境に直面する地方経済を活性化する上でも不可欠だ。クレジットカード会社は地方自治体や地方銀行と共同でインバウンド消費拡大に向けた事業に力を入れている。例えば、来日前の外国人に対しては、Webサイトで観光・文化・アクティビティなどの記事やクレジットカードの使えるオススメのショップ情報などを多言語メディアでお届けする。旅行中はアプリで周辺のクーポン優待店へのルート案内など、役立つ情報を提供。これらの取り組みを通じ、訪日外国人のインバウンド消費を促し、決済データから消費動向を分析して効果的に地方経済の活性化に貢献する。そもそも、地方を訪問する外国人が増えなければインバウンド消費は増加しない。その点、海外の金融機関と提携した国際的なアライアンスネットワークを介し、外国人に対して直接プロモーションをかけることができるクレジットカード会社の活躍余地は大きい。
出典:日本政府観光局
(取材:NIKKEI STYLE U22 編集チーム)